複合型新光触媒(暗所タイプ・光輝タイプ・透水性タイプ)・エコミィのWebサイトです。光触媒のことや、施工実績を紹介していきます。

温暖化防止と光触媒

光触媒冷却システムによる打ち水効果を実物件で実証(世界初)

 NEDO技術開発機構では日本オリジナルの光触媒技術の実用化開発に取り組んでいます。
この度、横浜市水道局菊名ウォータープラザ内ショールームにおいて実物件では初となる光触媒コーティングガラスからなる約130m2のカーテンウォールと散水システムを組み合わせた実証実験を実施しました。その結果、ガラス表面に薄く広がった水が蒸発する際の蒸発潜熱(気化熱)により室内温度が約2低下し、冷房空調負荷を約20%低減可能であることを確認しました。また同時にガラス表面温度も約10低下されることから、ガラスの輻射熱を低減し大気温度の上昇を抑えるヒートアイランド対策としても期待されます。

事業の背景・概要
 酸化チタン(TiO2)光触媒(1)は、太陽光が当たると表面に強い酸化作用が発生し、汚れや有害化合物、細菌などを分解する働きがあります。また、表面が非常に水に馴染みやすくなり、表面に落とした水が一面に薄く広がる性質(超親水性)があります。
 NEDO技術開発機構では、「光触媒利用高機能住宅用部材プロジェクト(平成15〜17年)」において光触媒の超親水性を利用した放熱部材と効率的な散水システムを組み合わせた新しい冷却システムの開発を行いました。光触媒をコーティングした壁材、屋根材、窓ガラス等の外装材に効率的に散水を行うことにより、建物全体を薄い水膜で覆いこの水膜が蒸発するときの蒸発潜熱(2)により外装材温度及び室温を低下させ、夏場の冷房空調負荷を低減可能な冷却システムを確立しました。
 今回横浜市水道局菊名ウォータープラザ内ショールームにおいて実物件では初めてとなる実証実験を実施しました。光触媒コーティングガラスからなる約130m2のカーテンウォール(3)に散水を行い、ガラス面積に対して80%以上の水膜被覆率を達成(別紙図1参照【PDF:335KB】)し、この水膜の蒸発潜熱によりガラス表面温度が約10低下し、これに伴い室内への熱の流入が抑制され室温が約2低下することが確認されました。最終的に冷房空調負荷は約20%低減され、実物件においても従来からのラボレベルでの実験結果と同等の効果が得られることを確認しました。
 光触媒冷却システムは、自然エネルギーである太陽光を利用し、また雨水循環による散水を行えば新たなエネルギーを必要としない地球環境に優しい技術であり、省エネルギーとヒートアイランド対策を併せ持つユニークな冷却システムです。


これまで得られた成果
 前記「光触媒利用高機能住宅用部材プロジェクト」においてモデルビル(東京理科大キャンパス内)、モデル住宅(東大キャンパス内)、休憩所(愛知万博)における実証実験を実施し、いずれの実験においても1〜3の室温低下および10〜30%の冷房空調負荷低減効果が確認されました。今回初の実物件での実証実験においてもこれまでの実験結果を再現する結果が得られており、本冷却システムが大面積の実物件においても有効であることが実証されました。


今後の展開、期待される効果
 本冷却システムは、前記のように省エネルギーのみならずヒートアイランド対策としても有望であり、街区レベルまで展開するとさらにその効果が期待できます。街区レベルに適用した際の効果のシミュレーションを行ったところ放熱部材を用いた壁面散水により、散水無しの場合に比べその近傍の屋外生活空間における熱放射環境が改善され、特に日影の空間においてはこの効果が顕著に現れました。結果として平均放射温度(MRT)は最大で約6低下する効果が期待できます